今回はマズローの欲求5段階説についてです。
マズローの欲求5段階説とは?
マズローの欲求5段階説とは以下の図のように、人間の欲求をピラミッド状に5段階で表したものです。
階層ごとに欲求がありますが、1つの欲求が満たされると次の段階の欲求を欲するというのがマズローの欲求5段階説です。
提唱したのは心理学の生みの親とされているアブラハム・マズロー。
そしてマズローの欲求5段階説を知ることで顧客が抱く欲求を理解することができ、以下のようなメリットがあります。
- 反応の取れる文章を書くことができる(コピーライティング)
- 適切なモノを紹介できる(マーケティング)
それでは次に階層ごとの欲求について解説していきます。
第1階層:生理的欲求
ピラミッドの一番下に位置する欲求で、人間の本能的な欲求です。
つまり、人が生きていく上で欠かせない欲求が生理的欲求です。
例えば、人間の三大欲求である食欲、睡眠欲、性欲が当てはまります。
ビジネスのターゲットにはなりにくいです。
なぜなら日本は恵まれている国なので、ほとんどの方は生理的欲求を満たしているからです。
仮にこの層をターゲットにしたとしても規模が小さすぎますし、そもそもお金を持っていない可能性が高いのでビジネスが成り立ちません。
第2階層:安全欲求
生命の維持が確保できるようになると次は、それを維持したいという欲求が生まれます。
安全・安心に生活したいという欲求が安全欲求です。
例えば、健康な状態を維持したいというのも安全欲求に当てはまります。
ビジネスで言えば、生活のためにお金を稼ぎたいという層です。
ただ、高所得者でも安全欲求を満たしていない方はたくさんいます。
例え月に100万円稼いでいたとしても、その生活が続くか不安だということです。
第3階層:親和欲求
自分の安全が確保されると次は、仲間が欲しいという欲求が生まれます。
例えば、恋人・家族が欲しいというのは安全欲求に当てはまります。
ビジネスで言えば集団に属したいという層です。
1人だけでビジネスをするのは不安なものです。コミュニティに属すことでその不安を解消することができます。
第4階層:承認欲求
仲間ができると次は、特別な存在になりたいという欲求が生まれます。
「仕事で尊敬されたい」や「高級車に乗りたい」というのは承認欲求に当てはまります。
ビジネスで言うと、例えば月収1000万円稼いで特別な存在だと思ってもらいたいというような欲求です。
第5階層:自己実現欲求
ピラミッドの頂上に位置する欲求で、自己成長したいという欲求です。
自分の存在意義を考え、ひたすら自分の目標を実現させるために没頭します。
一見、承認欲求と似ていると思ってしまうかもしれません。
しかし、見返り(特別な存在だと思ってもらいたい)を求める承認欲求とは違い、自己実現欲求は周囲の評価を全く求めない。つまり、自己満足の世界です。
ビジネスで言えば、例えば自分がしているビジネスで頂点を目指すというような欲求ですね。
よくある2つの勘違い
マズローの欲求5段階説でよくある2つの勘違いについてお話しします。
まず1つ目は、現在の欲求が100%満たされないと次の階層の欲求が生まれないという勘違いです。
例えば、生理的欲求(100%)⇒安全欲求(100%)⇒親和欲求(100%)⇒・・・というわけではないということです。
現在の欲求が100%満たされていなくても、ある程度満たされれば次の欲求が生まれます。
2つ目は、欲求は下から順番に出てくるという勘違いですが、欲求は必ずしも下から順番に出てくるわけではありません。
親和欲求(3段)⇒自己実現欲求(5段)というケースも十分にあり得ます。
熱狂的なアイドルファンがそれを物語っています。例えばAKB48の総選挙。
自分が応援しているメンバーの順位を上げるために投票券がついたCDを1人で数十枚、中には数百枚購入する方もいらっしゃいます。
この欲求はマズローの欲求5段階説で言えば自己実現欲求に当てはまります。
つまり、自分の目標のためにひたすら行動しているわけです。
しかし、この自己実現欲求の層に位置しているAKB48のファンの方全員が、その下の欲求(親和欲求)を満たしているでしょうか?
このように、必ずしも下から順番に欲求が生まれるわけではないということです。
最後に
実はマズローの欲求5段階説には更に上(6段目)の欲求が存在します。
それが自己超越欲求で、見返りを求めずにただひたすらに尽くすという欲求です。
例えば世界平和を本気で願い、人生の全てを捧げて活動をされている方がこの層に位置します。
ただ、ビジネスには関係ありませんので、特に覚える必要はありません。
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